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作者:七瀬

プロフィール

・1977年7月生まれ
・職業:某デリヘル店に勤務

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『ルームナンバー1044』 (1)

6月 28th, 2011

明かりをしぼったオレンジ色のライトに、ペディキュアが赤く光り、その足の指を口に含み指と指の間をクリトリスを舐めるように丁寧に裏の方まで舌をはわせ、

「好きなんだ、全部。」

と俺が言ったとき、彼女は一瞬困った顔をして、そして、いつもの笑顔になった。

青白く柔らかな肌は、脹脛で不思議な曲線を描き、欲望のつなぎ目として胴体にしっかりと吸い込まれる。ソファに浅く座らせ大きく足を広げさせると、長い手足に不釣合いの気の弱そうな顔が照れて俯き、彼女をメチャクチャにしてしまいたくなった。黒い下着でちゃんと正装してきて、いい子だ。足と足の間の、その場所は、太股の筋で影ができている。

「センセイ、どうしてセンセイは私が好きなの?」

彼女の正面の床に座った俺の首に手を回して、額をつけて、甘ったれた声で聞いてくる。
「理由が欲しいのか。お前は不安なんだね。心配することなんてないじゃないか。俺はここにいて、お前を見ているよ。理由なんてないよ。ただ、好きなんだ。」

アーチェリーで鍛えている胸や腕や肩の筋肉で、思い切り彼女を抱きしめる。

「苦しいよ、センセイ。」

そう言う時の彼女の嬉しそうな顔が見たくて、いつも、思い切り抱きしめる。

まだ、服や下着に包まれた下半身を擦りつけながら、唇を合わせ、俺の口に入ってくる彼女の舌を追いやり、彼女の歯や、その裏側、上の方、舌の裏側、暖かく湿った彼女と俺の唾液を混ぜあう。彼女の舌は控えめに俺の舌を味わっている。俺のやることに、彼女は反対したことはない。もちろん、逆らうこともない。毎回、俺の要求はすべて飲んでくれる。
俺の起った物で窮屈そうなズボンのベルトを彼女が外して、パンツの上からでもわかるほど先汁が出ているのをヌルヌルと触り確認して、

「ねえ、センセイ、こんなになっているよ。」

彼女が悪戯そうに笑い、俺のシャツのボタンを、何かの実験でもしているように、1つ1つ真剣な顔で外してから、ニコニコしながら脱がしてしまうと、シャツを大切そうに抱きしめて、顔を埋めて匂いを嗅いで

「いい匂い」

なんて言う。そういう彼女を、いつも、会うたび、彼女を愛おしく感じる。そして、たまらなくなって、シャツを奪いソファに投げて、彼女を抱きしめて、

「好きだ、ずっと会いたかったんだ。」

でも、そんな言葉じゃ全然足りない。全然足りないと思う気持ちを彼女に証明できる手立てがあればいいのに。涎まみれのキスを繰り返し、彼女が好きな苦しい抱擁をして、こんなに起ってしまった俺のペニスを彼女に擦り付けて、モジモジと動く彼女の黒い下着の隙間から指を入れて、充分に濡れそぼったヴァギナの柔らかさを指先に感じる。部屋の空気の密度が上がったようだ。

不倫、なんて言葉は俺は好きではない。彼女に対していい加減な気持ちで付き合っている訳じゃない。ただ、俺たちのような関係は目的地がない。それだけ不安定であり、だからこそロマンチックな気分に浸れる。

彼女は俺の足元に膝間づいて、ボクサーパンツの上から股間の匂いをクンクン嗅いで

「いい匂い」

とウットリした顔で言いながら、手を足の方から入れて陰茎をゆっくりと撫でるよように愛撫する。上からみる彼女の恍惚とした表情と胸の谷間で、俺のモノは全ての準備が整っていて、

「舐めてもいい?」

と彼女が照れながら聞いてきた瞬間に興奮は頂点近くまで登りつめてしまって、急いでボクサーから準備万端なペニスを取り出し彼女の口にねじ込む。

喉の奥まで一気に入れて小刻みに前後に動かすし、彼女は苦しそうな顔で俺の尻を抱かえて、もっと奥まで入るように俺とリズムを合わせる。ジュプジュプと根元まで陰茎が飲み込まれて、彼女の頭を押さえながら腰を振る。彼女は更に苦しそうな顔になった。ペニスを抜いてやると、激しく咳き込み、少し涙ぐむ。俺が様子を見ながら調整してやらないと、彼女は限界を超えてまでも我慢してしまう。

「気持ちいい?センセイ、気持ちいい?」

「ああ、気持ちいいよ」

その言葉が嬉しいのか、ニコニコしながら彼女は涎まみれのぷっくりした唇で、俺の亀頭を唇をすぼめながらツルンと生暖かくくわえ、亀頭の周りをチロチロと刺激した後、舌は陰嚢に這い降りて皺の一本一本まで丁寧に舐め、そして一気に亀頭まで登る。

「こっちにおいで」

彼女を立たせ、引き寄せる。嬉しそうに俺の首に腕を回しキスをする。彼女のヴァギナは、もう、どうしようもないぐらいにトロトロになっていて、指先がクリトリスの硬くなった膨らみに触れた。

次回作は7月8日(金)掲載予定!

七瀬 小説

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