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作者:七瀬

プロフィール

・1977年7月生まれ
・職業:某デリヘル店に勤務

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Archive for 8月, 2011

『ルームナンバー1044』 (4)

8月 19th, 2011

午後の日差しが部屋を照らし、白を基調とした部屋の窓からは空と海、東京の街が見える。よく晴れていてるが、水平線や街のシルエットは霞んでいる。太陽が海に反射してキラキラ輝き、俺たちの部屋まで届くようだ。37階のいつもの部屋。ここにくるのは何度目だろう。そして、赤い縄を彼女がカバンから出して

「お願いします」

と俺に渡すのは何度目だろう。
重い椅子に彼女は赤く縛られている。俺は窓の外の景色を見ている。今、彼女が自身の意思で自由にできるのは首だけだ。意識を集中するような表情で俯(うつむ)き、肩で息をしている。痛みに耐えているようにも見える。首から胸へ、そして腹から背中。縄は複雑に絡みつきながら、彼女の白い肌に食い込む。右手と右足、左手と左足をそれぞれの肘掛に固定され、局部が丸見えだ。胸の膨らみが不自然に押しつぶされ、乳首が上下にむいている。滑らかな下腹部から漆黒の陰毛に包まれたヴァギナ、大陰唇がヒクヒクと動いて、鯉の口みたいだ。午後の日差しに照らされて、濡れたヴァギナをさらけ出し俺を待つ。

「お前は信じられるか?」

彼女は顔をあげ、じっと俺を見る。

「たった50年前には、ここは空中だったなんて、お前は信じられるか?」

俺は電マのスイッチを入れた。

「たった50年前は、ここは鳥が飛んだり、潮風が吹いたり、そういう自然の領域だったんだよ。」

電マを彼女のクリトリスに押し付けると、体をビクンッと震わせた。

「神聖な自然の領域を、俺たちは赤い縄で犯してしまっているんだ。トロトロの愛液で侵略しているんだよ。」

腹を通る縄で電マを固定して、彼女の顔にチ○ポを押し付ける。ブーンと電マのモーター音が部屋に響く。

「…センセイ…」

彼女が小さく言って、舌を出し、チ○ポをチロチロと舐める。

「そうだ、うまいよ、お前は舐めながら、そうやって自然の領域を侮辱しているんだ。俺たちは自然にとっては脅威なんだ。」

ジュブジュブと彼女の口の中に収めたチ○ポを深く動かし、彼女が咳き込む。

「ダメだ、ほら、口を開けなさい。」

苦しがる彼女の鼻をつまんで口を開けさせ、またイラマチオを再開する。そして、アイマスクをつけた。

彼女と出会ってずいぶんたつが、俺たちのスケベのテンションは落ちない。常に新しいことをしているわけではない。ただのSMだ。しかも、死が見えるほどの限界までのプレイとか、誰か他の人間を交えての3Pや4Pはしない。俺たちが特別だという事ではなく、ただ、テンションを維持するためのオプションは今のところ、俺たちには必要がない。俺は彼女のマスターであり、彼女は俺のスレイブだ。
ただ、それだけ。

それでも、いつかこのテンションが落ちてしまうのではないかという不安はある。永遠には続くものなど存在しない。

彼女がゴプゴプと喉の奥まで俺のチ○ポを入れながら電マの振動でイッてビクビク体を痙攣させながら更なる振動に耐える、そういうのは、たぶん長くは続かないんだ。

つづく

七瀬 小説