『たなびけば、』 (2)
トランジットのため香港空港に降りた。手荷物検査で、化粧ポーチに入っていた眉毛をカットするための小さな鋏を危険物だと指摘され、危険物ではない事を説明したが英語力が絶対的に足りず、結局、没収されてしまった。
時間がかなりあったので、免税店を見て歩く。ハイパーブランドの店に入っても店員は声を掛けてくれない。どうせ買わないと思っているのだろう。その通り、どうせ買えない。買えないし、無理して買ったところで似合わない。店員は私に対して笑顔を向けない。あのマークのブランド、このマークのブランド、バックや靴や貴金属、洋服、化粧品、彼からいろんなブランド物を貰ったけど、どれ1つ似合ってなかった気がする。きらびやかな店々にため息をつく。
2階のテラスのフードコートからは、向こうに長く伸びた搭乗口が見渡せる。人、人、人。いろんな国の言葉が飛び交い人が蠢く。昔、顕微鏡で見た精子を思い出した。
「検体を採取します」
白衣と眼鏡をかけた彼が、まじめな顔で言うからおかしかった。精子が見たいという私の為に、彼は研究室から顕微鏡を持ってきてくれた。白衣と眼鏡も私のリクエストだ。
「洋服を脱いで、着けている下着を外しなさい」
なにかすごいことが起こるかもしれない期待で、オ●ンコがヌルヌルになってくるのがわかった。ベッドの上で、モジモジと服を脱いでいる私を見て
「早く脱ぎなさい。お前は、精子を採取するための道具なんだから、恥ずかしがっていてはおかしいだろう?」
そう言って、彼はまじめな表情を崩さずに、手際よく私を裸にした。そして、オ●ンコを触って
「準備はできているようだな」
と愛液がついた指を満足そうに舐めた。触られた時、体がビクっと反応した。彼に怒られると思ってワクワクしてしまう。怒られたいから、反応して、恥ずかしい顔をした。
「お前は、まだ、わからないみたいだね。道具は恥ずかしがっちゃいけないんだ。これをして、反省しなさい」
と、アイマスクを渡された。
「そうだ、いい子だ。お前が、検体を採取するのに適切なものか調べるからな」
アイマスクをつけていても、彼が表情を変えていないのが声でわかった。
「足を開きなさい。まず、性器を開いて調べる」
足をゆっくり開く。私の女の匂いがする。
「よく見えない。足は邪魔だな。固定するか」
「…嫌です。止めてください…」
「お前は道具だ。まだわからないのか!」
強い声で彼は言って、私のオッパイを鷲づかみにしてグルグルと回した。
「痛いです。止めてください、止めてください」
そう言いながら、どんどん濡れていく私は、どうしようもない存在だと思う。どうしようもない存在だから、怒られて、縛られ、罰を与えられることに安心感がある、と私は知っている。知っているからこそ、恥ずかしい存在になり下がる。ざらざらとした紐で足を縛られ、私はM字開脚の格好になった。
「こんな格好で、クリトリスを立てて、ベッドまで濡らして、お前は何か勘違いしているんだろう」
彼は演技がかったため息をついた。そして、オ●ンコに指を入れてグリグリと回した。感じてしまって声が出てしまう。彼は指の動きをいっそう激しくして、私の一番感じるポイントを責める。グチュグチュとイヤラシイ音が部屋に響いて、アイマスクの暗闇の中で、彼が喜んでくれればいいなと思いながら、イってしまった。
「よし、性器は問題ない。では、始める」
つづく