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作者:七瀬

プロフィール

・1977年7月生まれ
・職業:某デリヘル店に勤務

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Archive for 4月, 2011

パーティー(4)

4月 15th, 2011

何が大丈夫なのか私はわからなかったけど、大丈夫と言っておけば男が安心すると思った。アルコパルみたいな安いカップで飲み物を出されたことが、すこし腹立たしかった。もっといいカップがこの家には似合うし、私にはいいカップは必要じゃない、と言われている感じがしたのだ。そして、その腹立たしさが男にばれてしまわないかハラハラしていた。いつだって、焦りは伝染してしまうのだ。
男の顔をまたぎ、目を閉じさせると、鼻に湿ってきているパンツをこすりつけた。
「こすりつけているのが何だかわかる?」
鼻によってクリトリスが刺激され、また濡れてくる。ジノリやノリタケでコーヒーを振る舞えば、納得した訳ではない。男の顔に体重をかかける。苦しめばいいのだ。息をしているなんて、忌々しい。
「苦しいでしょう?それなのにチ○ポを立てているなんて、あなたは、どうしようもなく変態。ズボンがきつそうだけど、そのままにしておきましょう。カウパーでズボンまで汚しなさい。精子の食料になるカウパーはズボンに吸い取られてしまうの。あなたの精子はすぐに死んでしまうでしょうね。変態の精子はやはり変態なはずだから、苦しみ喜びながら死んでいくんでしょう?私の愛液、こんなにグチュグチュで、舌を出せなんて、言ってないでしょう?舐めるのを止しなさい。手を使わないで。足で押さえてあげるから、顔を動かして、私を感じさせるの。昼間から、こんないやらしい。」
薄笑いをしながら私の言うことを懸命に実行しようとしている男が愛おしい。腰をあげて、パンツをずらす。
「目をあけてはダメよ。ねえ、目の前にあるの、私のオマ○コ。見てはダメ。」
男は肩で息をし始め、舌は極限まで出しているみたいに、長く固く力が入っている。舌が届きそうで届かないポジションにオマ○コを合わせる。長く伸ばされた舌は、ヌラヌラと光る。
「今から、オナニーするからね、視覚以外のもので、ちゃんと感じるんですよ。」
私の爪は、常に短くしてある。長いとオナニーする時に膣の中に指を入れた場合や、男のアナルに指を入れた時、粘膜を傷つける恐れがあるからだ。短い爪に、深紅のマニキュア。クリトリスは、すでに膨らんでいて、深紅の指でこすると、ちぎれてしまうのではないかというほど、ヒリヒリした。オマ○コに力を入れると、すぐに逝ってしまうので、できるだけ、下半身をリラックスさせようと思うのだが、顔面騎乗位では、それが難しい。オマ○コに指を入れていやらしい音がしだすと、男の息は更に荒くなった。 舌が私の太腿を舐め回す。ジュプジュプと音をたて、まるで、そこが、オマ○コみたいに、舌をとがらせ、リズミカルに舐め上げる。私は後からオマ○コに指を入れて、クリトリスを舌に押しつけた。
上下の舌の動きが左右に変わり、それは、男が私の逝くポイントをよく知っているからで、長いつきあいの中で教え込んだものではなく、出会ってすぐにホテルに行ったあの日から、そうだった。私の感じるポイント、表情、指の力加減、場所、時間、台詞、全てを的確に捉えていた。色黒の手入れされている肌、ジムで鍛えられている体は筋肉が骨を包み、上手に歳をとっていた。強気な態度のくせに、好きなもの、例えば、車やゴルフの話をする時に目尻は笑顔の皺ができて、年上の男と言うより、少年を見ているようで、私は参ってしまった。新しいおもちゃを手に入れたつもりでいたが、間違っていた。男は、私を魅了していた。

つづく

次回は5月13日(金)掲載予定!

七瀬 小説